膝関節の機能再建を目標に!

現在は相川淳、岩瀬大、迎学の3人のスタッフが1つのチームとして診療、研究に従事しています。年々手術症例も増加しております。前十字靱帯再建などのスポーツ損傷に対する治療も行っており、幅広く対応できる体制となっております。また、基礎研究では変形性膝関節症の滑膜組織を用いた、疼痛機序の解明をはじめ、骨折に対する超音波治療や骨・軟骨再生、骨組織の保存など様々な研究を行っており、日本整形外科学会や日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会、人工関節学会などの国内学会のみならず、国際学会にも積極的に参加して発表を行ってきました。 膝関節周囲の骨欠損が多い症例に対しては自家骨移植や金属による欠損部の充填が広く受け入れられていますが、やはりなるべく多くの骨を温存した治療を選択すべきと考え、骨バンクに保存した同種骨移植を積極的に併用しています。北里大学整形外科だからこそできる治療である同種骨移植を含め、患者さんが納得のいく治療方針を検討しています。何といっても整形外科の治療の中心はやはり機能再建です。痛みや機能低下に苦しんでいる患者さんの治療ができるよう、脊椎外科や股関節外科と共に知識や技術を学び、世界に発信できる施設となるように一緒に頑張ってみませんか?常に明るく仲の良いスタッフ一同が揃っていますので是非見学に来てください。

人工膝関節全置換術(Total Knee Arthroplasty)と膝関節外科

変形性膝関節症や関節リウマチで保存的治療では改善しない疼痛を緩和し、膝関節の変形を矯正できる人工膝関節全置換術は現在、最も広く受け入れられ安定した成績が求められる手術です。疼痛により制限されていた日常生活動作やウォーキングなどの運動が行えるようになります。また人工膝関節置換術は医療環境や技術、素材が進歩し15年から20年の耐久性が期待できますが、場合によっては再置換術を要することも少なくありません。そこで骨欠損が強い症例に対しては当院にある骨バンクに保存した同種骨を積極的に移植し、可能な限り骨温存を目指した手術を行っています。
また、当院では2021年12月に人工関節手術支援ロボットを導入しました。手術支援ロボットを使用することにより、従来よりもさらに安全で確実な手術を行えるようになりました。精度の高い手術により、患者さんの満足度の向上や手術におけるリスクの低下が期待できます。また、術者の熟練度に関わらず安定した手術を行いやすくなるため、若手医師の教育にも適しています。

人工関節手術支援ロボットを導入しました

自家培養軟骨移植術を導入しました!

2019年12月から、当院で自家培養軟骨による膝関節軟骨の治療が保険で受けられるようになりました。
関節の軟骨には血管がないため、一度損傷すると修復が難しく、広範囲の欠損には有効な治療法がないとされてきました。自家培養軟骨移植術は患者さん自身から採取した少量の軟骨細胞を、コラーゲンの一種であるアテロコラーゲンゲル内で4週間培養し、軟骨欠損部位に移植します。これまで難しいと言われていた大きな軟骨損傷の治療を可能にする最先端治療です。この手術の適応となるのは、一定の条件を満たした「外傷性軟骨欠損症」または「離断性骨軟骨炎」の患者さんです(変形性膝関節症は治療できません)。自家培養軟骨は、患者さん自身の細胞を使うので拒絶反応がきわめて少ない点、少量の軟骨から細胞を増やすことができるので、広範囲の軟骨欠損にも有効である点などのメリットがあり、治療後は膝の痛みが改善することが確認されています。

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膝前十字靭帯損傷にアログラフトも!

サッカー、バスケット、ラグビー、柔道、ほぼ全てのスポーツで発生しうる膝前十字靭帯断裂。放置すると半月板断裂や変形性膝関節症を続発させてしまいます。北里大学では、通常の骨付き膝蓋腱(BTB)による再建術や、ハムストリング(ST,G)による解剖学的2重束再建術だけでなく、アログラフト(同種靭帯:ご遺体から同意のもとに採取された靭帯 骨バンクコーナー参照)による再建術も提供できます。海外ではよく行われている術式ですが、国内で骨バンクが整備された施設は当院含めて2つしかありません。選手生命を脅かすこの怪我は、残念なことに再建術後の再断裂や反対側(健側)の断裂が意外と高い頻度で起きてしまいます。自己組織採取による筋力低下を避けたい方、再断裂の方、傷を小さくしたい方などが適応と考えております。 ハムストリングによる2重束再建術 アログラフトBTBでの長方形骨孔による再建術

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