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学会発表


医学部5年生の菅野那々子さんが第5回日本運動器疼痛学会(東京・有明 2012年11月17-18日)で初めての学会発表を行いました。


演題名「弾性ストッキングのむくみに対する効果 段階圧は必要なのか?」


北里大学医学部第5学年 菅野那々子

発表を終えて
この度は、貴重な体験をさせて頂き誠にありがとうございました。まずは何より見目先生に、そして班の仲間たちに感謝の気持ちを捧げたいと思います。初めてのことだらけで右往左往しながらみんなで切磋琢磨し、また先生の大きなご協力のもと、無事に今回の発表を終えることができました。本当にありがとうございました。自分がふと疑問に感じたことを研究し、それを形にすることで周りの人達にも興味を持ってもらえることの嬉しさを知りました。また機会があればぜひ挑戦したいです。

photo1 photo2



背景 「最大筋力等これまでの疲労指標に変化がないため就労前後の疲労は筋運動に伴うの疲労とは別な疲労」

須藤ら. 日生人誌, 2010


「弾性ストッキングや段階圧弾性ストッキングはむくみ、疲労感の改善に有効」

川内ら. 四国医誌, 1992 熊澤ら. 臨スポ医 ,2005 見目ら 臨スポ医, 2009


むくみの改善は疲労感の軽減
fig.1


目的 立位仕事時の弾性ストッキング(以下C)と
段階圧弾性ストッキング(以下CG)のむくみ予防効果について
比較検討すること


方法

対象:4時間以上立位作業が可能な成人13名26脚
男性5名,女性8名、
(内,妊婦2名4脚、アキレス腱縫合術後2名3脚を非健常脚)
調査時平均年齢:26.5歳(22〜37歳)
平均BMI:20.9(18.6〜24.5)

【測定条件】
1.通常のソックス(コントロール)
2.弾性ストッキング(C)(加圧:19hPa,)(アンシルク1, アルケア社)
3.段階圧弾性ストッキング(CG)(CGソックスインナー33, アルケア社)
fig.2

計測項目:下腿最大周径(ソックス非着用下での値)
着用時間:9時〜17時 9時、17時に計測 
各条件で2回計測し,浮腫率の平均値を用いて比較検討.
浮腫率=夕方の周径/朝の周径
また終了後着用感に関するアンケートを実施


統計学的検討 2群間の比較:Mann-Whytney’s U検定
3群間の比較:併合順位によるDunnett検定(コントロール:通常のソックス)
有意差:p<0.05未満


着用間の
アンケート結果
graph1

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考察 本研究では圧が違うため加圧方法の違いに関して不明。
むくみ予防の効果はCGの方高かったが、C群とCG群に有意差が無い
段階圧による圧迫に対して14〜26%が不快感

小山ら 繊消誌 ,2001 見目ら 臨スポ医 ,2009

むくみの改善にはCGが最も有効、不快感を感じる人にはCでも効果あり


結語 弾性ストッキング、段階圧弾性ストッキングの効果について比較検討した。
圧に差はあるが、コントロールと比べどちらも有意にむくみが改善。
男性群、健常脚群のむくみは、段階圧弾性ストッキングのみコントロールよりも有意に改善。
むくみ改善には段階圧弾性ストッキングが最も有効であったが、弾性ストッキングでも十分効果があった。